三州瓦の歴史

三州瓦のいま

  現在の三州では、原料の粘土を配合する粘土配合所、釉薬を調合する釉薬メーカー、そして瓦メーカーと完全な分業体制がとられている一方、三者の協力体制により、三州瓦のいっそうの品質向上を計るとともに、環境対策についてもたゆみない努力がつづけられています。

業界で取り組むリサイクル事業・・・シャモット工場
  三州の各瓦メーカーではそれぞれ厳密な製品チェックが行われており、規格外品となった瓦などを廃棄するのではなく、愛知県陶器瓦工業組合の「シャモット工場」に搬入され、ここで細かい粉(シャモット)に砕かれたうえ、粘土配合所に送られます。配合所では、このシャモットを原料粘土の一部(3%)として再利用しています。
詳しくは→瓦の規格外品まで徹底リサイクル・・・シャモット工場


屋根工事の技術者を養成する愛知県瓦高等職業訓練校
  瓦の名産地・三州は、屋根施工業者も多く(メーカーが施工業を兼ねている場合もあります)、瓦で屋根を葺く優秀な技術者が数多くいます。
  地域が一体となって、伝統的な屋根葺きの技術を若い世代、あるいは他地方の屋根技工士志望者に伝えていくために、愛知県瓦協会では「愛知県瓦高等職業訓練校」を運営し、OJTと並行して実技や学科を学べるようにしています。
  この訓練校は、シャモット工場と隣接する敷地内にあり、愛知県陶器瓦工業組合も後援団体の一つとなっています。

愛知県瓦高等職業学校・実習風景
愛知県瓦高等職業訓練校・実習風景


最新鋭の瓦工場
  三州瓦のトンネル窯の工場は現在、ほとんどが完全オートメーションになっており、粘土の供給から、土錬、プレス、乾燥台車積み、乾燥、施釉、焼成台車積み、焼成、選別、梱包まで、すべてコンピュータ制御の機械で行われ、人が直接かかわるのは、梱包前の検査だけです。
  色瓦の場合、瓦が出来上がるまでに要する時間は、粘土供給から荒地出し、プレス成形して乾燥しあがるまで約24時間、トンネル窯の中で瓦が最高温度の1130度に保たれるのが約8時間、粘土供給から梱包までの全行程が約42時間というところです。トンネル窯の中でどのくらいの時間をかけて最高温度にもっていき、どのくらいの時間で冷ますかは、季節やその日の気候によって微細に調整されています。
  最新鋭の大工場の一例をあげると、窯の長さは約100メートルで、1ライン1日の生産能力は5万枚にも及んでいます。

生産ラインの一部
生産ラインの一部

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その1  百済から瓦博士がやって来た その11  世界のどこにもなかった塩焼瓦(赤瓦)も三州生れ
その2 瓦の技術が全国的に広がった時代 その12 釉薬で美しい色瓦を
その3 需要の減った平安時代、過渡期となった鎌倉時代    その13 よい製品を低コストで・・・機械化の歩み
その4 室町時代、瓦の技術が大きく進歩した その14 煙を出さずに瓦を焼く
その5 安土城の瓦を焼いた明の一観 その15 トンネル窯の登場で飛躍した生産性
その6 桟瓦の登場で民家にも瓦が使われるようになった その16 三州瓦のいま
その7 三州で瓦が造られるようになったのはいつ?     ●産業廃棄物を出さないために:シャモット工場
その8 三州瓦の恩人・・・江戸町奉行・大岡越前守     ●愛知県瓦高等職業訓練校  ●最新鋭の瓦工場
その9 三河木綿ともご縁のあった三州瓦
その10 近代の瓦技術をリードしてきた三州瓦 参考文献  
    ●フランス瓦をいち早く  ●S型瓦の開発    



地震・台風に強い防災瓦・三州瓦の製造販売。低勾配の屋根でも安心なユーロJ・Aなど。



井野瓦工業株式会社

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